実行機能の低下とディシプリン
「ディシプリンが足りない」と言う人は、多くの場合、実行機能の困難を表現していま す。実行機能とは、計画を立て・優先順位を決め・やり遂げることを可能にする精神プロセスのことです。これらのスキルは前頭前皮質に存在します。前頭前皮質は、意思決定・集中・感情のコントロール・ワーキングメモリを担う脳の部位です。
実行機能が過負荷の状態にあると、単純なタスクでさえ不可能に感じられます。何をすべきか正確に分かっていても、スタートラインで立ち往生してしまうことがあります。これは怠惰さや弱さのサインではありません。ストレス・疲労・過負荷に対する、予測可能な神経学的反応なのです。
実行機能の役割
実行機能によってできることは以下のとおりです。
- 行動しながら情報を頭の中に保持する(ワーキングメモリ)。
- ためらわずにタスクを開始する(タスク開始)。
- 正しい順序でステップを計画・整理する。
- 状況が変わっても柔軟に対応する(認知的柔軟性)。
- ストレスが行動を妨げないように感情を調節する。
これらのスキルのいずれかがストレス・睡眠不足・神経発達の特性・バーンアウトによって弱まると、ルーティンを続けたり目標に向かって進んだりする能力が不安定になります。だから、ある日は簡単に感じるタスクが、別の日には圧倒的に感じることがあるのです。スキルが失われたのではなく、脳のリソースが一時的に不足しているのです。